バックパッカーの聖水

乾いた心に聖水を!

2018年08月

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サメット島からバンコクに戻り、



日本行きの航空チケットが取れたのを確認した時、




安堵と寂しさが入り混じった感情を覚えた。



チケットがなかなか取れないことを心のどこかで期待していたのだ。



これで現実の世界に戻ることになる。


恐らく、今後、こんな長期の自由旅はできないかも知れない。



それは出発前にも心に念じて出てきた。



ただ、半年はちょうどいい長さだったかもしれない。



実は興味の泉が枯渇してきているのを自分自身で感じていた。



非日常であるはずの旅の道中を、


なんとなく過ごしている自分に気が付いていた。



俺の出発を前に、エイジは1人タイ北部へと旅立った。



ある意味助かった。見送られると感情を抑えられなくなりそうだ。



空港に向かうシャトルバスに乗り込んだ時、



やはり感情が溢れ出てきた。



自分でも何の涙だかよく分からないのだが、



どうしても止めることが出来なかった。


ただ、日本に生まれた俺は、何かができる気がする。



これは結構チャンスかも知れない。



インドの早朝、重そうな荷車を引いていたおじいさんを思い出していた。


マレーシアのパンコール島で、戦争の体験を打ち明けてくれた


オジサンの目を思い出していた。


自分の心の中に


まだまだ たぎっている熱い物を大切に持ち帰ろうと思った。




終わり








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バンコク・エカマイバスターミナルから


バスに揺られること3時間、


ボートに乗り換えさらに1時間、


島への入場料200B(600円)を払うと、


そこは南国のビーチリゾートサメット島だ。


少々物価が高いことを除けば、


キレイな海辺で夜はパーティーファイアーダンス


酔っ払って全裸で泳ぎだすヤツなんかがいて、


南国の陽気な雰囲気が漂う。


中でもお勧めは、ウォッカのレッドブル割りが


ミニバケツに入って出てくるので、


それをストローで一気に吸い上げ、あとはビーチに寝転んでいればOK!


陸から幾分離れた離島なだけに海はキレイだし、


そこまで開発しきってないので、パタヤなんかと違いうるさ過ぎない。


そんなリゾートっ気満々の中、


俺は日本に帰ってからのことを考え始めていた。


人生で一番遊んだ半年間がもうすぐ終わろうとしている。


暑い暑い東南アジアに居ながら、


夏の終わりの寂しさのような、


日曜日の夜に感じる、


休日が終わる切なさのような、


安心するような、焦るような、


簡単には言い表せない心の浮き沈みを、


灼熱ののコントラストの間に


楽しんだり、遠ざけたりしていた。


つづく・・・。











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アレックスの家に何泊か泊めてもらい、


再びカオサンの安宿に移った。


アジアを長旅する際、バンコクを拠点にする人が多い。


理由はいくつかあるが、色んな物が揃い、宿代が安く、


多くの情報が手に入り、治安がいいのが大体のところだろう。


実際俺とエイジも、インドを旅する間、


ここで余計な荷物を預かってもらっていた。


そして、最大の理由、格安航空券が手に入るということ。


日本を出発してから半年経っていた。残金も心許ない。


そろそろ帰らなければならない。


旅行代理店に日本へ航空券の予約を入れて、


エイジと二人でバンコクからバスで3時間のリゾート、


ホアヒンへ小旅行に行くことにした。


実際俺は、ホアヒンへはインドに行く前にPONさんと行ったから2度目になる。


前回のいいイメージがあるし、大体勝手を分かっているからここを選んだ。


が、いざ来てみると、何かが違う。


分かっている分、不自由なく動けるのに、何かがもの足らない。


あとあと、同じ所に2度行く旅のスタイルは俺には合わないことを知る。


一回目の良さを追い求めてしまって新鮮味がなくなってしまうのだ。


面白かったことと言えば、エイジが、


宿のかなりワイドなおねーちゃんに惚れられて、


連絡先を聞かれたことぐらいだ。


5泊した後、一度バンコクに戻り、


アレックスを交えて3人でサメット島に向かう。



つづく・・・










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午後1時
、飛行機はバンコクに着いた。


空港にはアレックスが待っていてくれた。


アレックスとは、エイジがムエタイジムで知り合ったタイ系アメリカ人で、


タイに旅行で来ていて、叔父さんの家に泊まっているらしい。


空港まで車で迎えに来てくれたので、


そのまま叔父さんの家に遊びに行くことになった。


「へー、アレックス、免許持ってんだ。」


「持ってないよ。」


は!? 後部座席で耳を疑った!


「大丈夫なのか?」


「大丈夫、大丈夫。」 と、


プ!プーーー!!!


高速道路でいきなり車線変更しようとして、


後続の車におもいっきりクラクションを鳴らされた!


アブねっ!


おいっ!ホントに大丈夫なのかっ!?


と思っていたら料金所で警官に停止させられる・・・。


これはさすがにヤバいっしょ!


アレックスは警官に連れられ、建物の中に消えていった。


おいっ、インドから戻ってきて早々にトラブル発生じゃねーか!


車の中で待つこと5分。


何食わぬ顔で戻ってきたアレックス


「大丈夫だったか!?」


「大丈夫だった。」


「大丈夫たって、お前、免許持ってないんだろっ?!」


「『いとこが警察官だ』と言ったら解放された。」


その後、何とかアレおじさんの家にたどり着き、ごはんをごちそうになる。


東南アジアって、そんなもんなんです。



つづく・・・








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コルカタに戻った日の夜、


宿の近くのレストランに食事に行った。


席に着いてしばらくして、何かが気になった。


何なんだろう?この店は他の店と何かが違う。


う~ん・・・。


分かった!


店員1人1人の動きが機敏なのだ!


日本では当たり前のことだが、


アジアの安食堂ではありえないことなのだ!


感心していると、皆をそこまで動かすその原動力の正体が分かった。


その店のオーナーと思しき男が現れたのだが、


ターバンを巻いて物凄い怖い顔した、


メチャメチャごっついおっさんだったのだ!


こんなごつい人を、インディージョーンズで見たことがある!


ベルトコンベアーの上でジョーンズと戦うあの大男だ!


キビキビ動くインド人がおもしろくて、店にいる間中笑っていた。



翌日は1日土産物買いに使い、


そしてとうとうインドを脱出する日がやってきた。


早朝、予約しておいたタクシーで空港へ向かう。


色んなことがあったインド。


これでとうとうお別れ。


乗り込んだ飛行機が動き出した時、


安堵の息を吐いた。


インドを訪れた者は極端に分かれるという。


また行きたい! と思うか、もう二度といやっ! と思うか。


ちなみに俺は前者で、エイジは後者だ。


ただ、この飛行機の行き先バンコクは、超快適に感じるんだろうなぁ。



つづく・・・











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