前日になかなか寝付けず、
昼過ぎに起き、
朝食とも昼食ともとれる軽めの食事を済ませ、外に出た。
長期で無期限の旅はこういう切迫感のなさがいい。
この日はインドに来て初めて、
相棒エイジと別行動をすることになっていて、
ヤツはすでに出かけたようだ。
俺はインドで行きたい場所に向った。
それは、動物園。
以前何かで読んだのだが、
「皆がライオンやトラなどの肉食動物に向って投石するため、
人が檻に近づく度、ものすごい形相で威嚇してくる」 とあった。
同情こそすれど、そんな迫力満点な動物園に行かない手はない。
が、遅すぎる起床のため、着いたのは午後3時で、閉園1時間前だった。
6時位までは開いていると思っていたが、
早寝早起きのインドを甘くみていた。
急いで周るのも忙しないので、急遽進路を変更した。
近くの、街が一望できる丘の上の砦がに向う。
石畳のくねくねした路を登り始める。
すると、5、6歳の子供達が俺の周りに集って来た。
7、8人はいるだろうか。
ニコニコしながら俺を取り巻き一緒に歩く。
いやぁ、やっぱり子供の笑顔にはかなわんなぁ
なんて思っていると、
一番年長と思われる男の子がポツリと呟いた。
「マニー」・・・。
はぁ?
つづく・・・
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