69 チャイ~

インド


夜8時に出発予定の列車は、

10時にようやくホームに滑り込んできた。

みんな我先にと乗り込もうとするので、押し合いへし合いとなり、

ガイドブックには、

”もめごとの時も、インドの人は決して手を上げない” とあったが、

思いっきり後ろから髪の毛を引っ張られてる女性とかまでいる。

俺達もなんとか乗り込む。

列車を待ってる間、会話を交わした韓国人の男の子も、

どうやら俺達と同じボックスのシートらしい。

と、彼の席にはインド人の子供が座っている。

「おい、お前、どけよ!」

気の優しそうな韓流男子に代わって、俺は言った。

「いや、いいんだ。俺は隣に座るから」

うっ。

俺はインドに来て、自分が凶暴になっていることに気が付いた。

子供にまでそんなことを言ってしまうなんて。

向かい合わせ6人がけのボックスシートは、

日韓3人組みの他、インド人親子3人、

それと隣のシートのオーストラリア人男性も加わり、

俺達は互いに会話を交わし、仲良くなったところで各自眠りについた。

翌朝、寒さで目が覚めた俺は、

車内を頻繁に売り歩くチャイワラ(ミルクティー屋)から

1杯5ルピー(13円)で買ったチャイで体を温めた。

ちなみにこのチャイワラ、ヤカンなどにチャイを入れて、

「チャイ~、チャイ~」 と何故かみんないかりや長介みたいな声で売り歩く。

日本の電車の車掌がみんな同じ声で案内するのと似ている。

気が付くとエイジもすでに起きていて、チャイをすすっている。

「それ、いくらだった?」

「4ルピー」

くそっ!エイジに負けるなんて!

つづく・・・


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