36 パンコール最後の夜

マレーシア
(C)PONたもつ

(C)PONたもつ

パンコール島が気に入り、2週間も滞在してしまった。

キャメロンハイランドで、一旦別れたPONさんと、

メールで連絡を取ってみると、

彼はすでにマーレシアの首都、

クアラルン・プール(K・L)へと移動していた。

PONさんK・Lで落ち合う約束をして、この島を離れることにした。

その夜、最後の宴をアディと繰り広げていると、

この宿の居候おじさんが現れた。

おじさんは、この宿のオーナーと友人らしく、

一室をタダで提供してもらい、

昼間はボート貸しをして生計を立てているらしい。

常に険しい顔をしており、愛想がないので、俺は苦手だった。

おじさんは、アディと激しい口調で話をしている。

現地語なのでサッパリだ。

正直、俺はめんどくせーと思っていた。

すると、アディは俺に向かって言った。

「お前と話をしたいそうだ。俺が通訳するから」

アディの通訳によると、

戦時中にこの島で生まれ、当時はたくさんの日本人がいた。

広島と長崎に原爆が投下され、日本人は皆、国に帰って行った。

といった内容だった。

俺にジュースを差し出しながら、

「話をしたかったんだ。でも、俺は英語を話せないから・・・」

と加えた。

おじさんを誤解していた自分が恥ずかしくなった。

パンコール島最後の夜、滑り込みのふれあいに胸が熱くなった。

つづく・・・。

コメント