104 旅の終わり

ペナンバトフェリンギビーチで足タイ
ペナンバトフェリンギビーチで足

サメット島からバンコクに戻り、

日本行きの航空チケットが取れたのを確認した時、

安堵と寂しさが入り混じった感情を覚えた。

チケットがなかなか取れないことを心のどこかで期待していたのだ。

これで現実の世界に戻ることになる。

恐らく、今後、こんな長期の自由旅はできないかも知れない。

それは出発前にも心に念じて出てきた。

ただ、半年はちょうどいい長さだったかもしれない。

実は興味の泉が枯渇してきているのを自分自身で感じていた。

非日常であるはずの旅の道中を、

なんとなく過ごしている自分に気が付いていた。

俺の出発を前に、エイジは1人タイ北部へと旅立った。

ある意味助かった。見送られると感情を抑えられなくなりそうだ。

空港に向かうシャトルバスに乗り込んだ時、

やはり感情が溢れ出てきた。

自分でも何の涙だかよく分からないのだが、

どうしても止めることが出来なかった。

ただ、日本に生まれた俺は、何かができる気がする。

これは結構チャンスかも知れない。

インドの早朝、重そうな荷車を引いていたおじいさんを思い出していた。

マレーシアのパンコール島で、戦争の体験を打ち明けてくれた

オジサンの目を思い出していた。

自分の心の中に

まだまだ たぎっている熱い物を大切に持ち帰ろうと思った。


終わり



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