86 Uボーイズと滴女

ウダイプルインド

朝7時前、夜行バスはどこかに停まった。

どうやら目的地ウダイプルに着いたようだ。

自分達がいったい街のどの辺にいるのか分らなかったが、

おおよその検討をつけて、もちろん安宿街に向けて歩き出した。

進むにつれて、路はだんだん狭くなっていき、くねくねとうねり始める。

道の感じや周りの建物の古さといい、朝もやも手伝ってか、

中世にタイムスリップした気にさえなってくる。

そんなメルヘン情緒溢れる中、

残念ながら隣にいるのはエロ面の日本男子と野良犬が一匹

さっきから、何かくれと言わんばかりに俺達と一緒に歩いている。

と、突然ワン公は数匹の犬に囲まれ始めた。

どうやら、他の犬達の縄張りに入ったようだ。

激しく吠え立てられる中、ワン公は、

「ク~ン、ク~ン」と鼻で怯え鳴いたが、俺達は見捨てて歩き続けた。

巻き添えを喰らうのはご免だし、そもそも、お前、知らないし。すまん。

バス停から40分くらい歩いただろうか、

路を脇に入ったところで、3人の子供どぶにまたがって、

ダイレクトに朝の催しを行っていた。 そして笑顔で、

「ウエルカム!チープホテル!」 と同時進行で案内してくれた。

これはさすがに笑った。

そのホテルに空き部屋を聞いてみる。

ダブルベッドで120ルピー(300円)と安いのだが、

まだ先客がチェックアウトしてないので、屋上でお茶をすすりながら待つことにした。

と、俺達は幻想的な場面に出くわす。

1人の女性が現れたかと思うと、俺達に軽く照れ笑いを見せ、

朝日に向って器を掲げ、祈りと共に水をタラタラと床に滴らせた。

俺は無言でその光景を見ていたが、

”この街は何か良さそうだな” と感じていた。

つづく・・・

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